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2008.06.16

太陽の子

         
(先回より続く)

もうひとつ、予想外の出来事が起こったことも紹介しておこう。

     

    
この写真をご覧あれ。

  
Dsc_3404

   

あの初物が東京市場で20万円という破格値をつけて大いに話題となった宮崎産マンゴー「太陽のタマゴ」が今回、台湾にも出品された。

   

化粧箱入り2個で5688元(新台湾ドル)。

     
Dsc_4936
マンゴー通の台湾人曰く「白い斑点がはっきりしていて多いほど甘くて美味しい。これはスゴイ!」

      

このとき1台湾ドルが約3.53日本円だったから、
     

およそ日本円で約20,000円なりィ~っ!?

     

       
驚くのはまだ早い。

ここ台湾は、高級マンゴーの名産地なのである。

    

同じこのお店で、「愛文マンゴー」というブランド品が同じく2個で89元。

   
Dsc_3890
ここは高級店舗でだから、これでもお高いのだ

     
愛文(中国語の発音でアイウェン)マンゴーというから、おそらくアーウィン種マンゴーの音訳ではないだろうか(未確認)。俗に言う果皮の赤いアップルマンゴーである。太陽のタマゴと同じか兄弟分にあたる。

    

日本円で約314円!?

   

なんと宮崎の太陽のタマゴの64分の一である。

    

これが、一般の果物屋となると、さらに600グラム(およそ一個分強)で29元(約102円)なんていうから、もう比較のしようも無い

   
Dsc_4883
台北市内の地場スーパーでも愛文マンゴーは人気

    

このようなマンゴーの本場中の本場、しかも旬の真っ只中のシーズンに約60倍の値段で殴り込みをかけたことになる。
    

なんという怖いもの知らず!!

    
Dsc_4581
青果市場でもこのシーズンの中心商品だ

  
Dsc_4576
シーズン真っ盛り

   
Dsc_4624
              

もちろん日本でも台湾産愛文マンゴーはすでに輸入されている。

  
日本が攻めて(輸出)も攻めなくても、だ。

      
    

     
さて、売り場では・・・

多くの買い物客が太陽のタマゴの前で足を留めている。

    
Dsc_3426

        

「5688元だってよッ! 一体どういうマンゴーなの??」

   
これだけで、もう宣伝広告としては成功。

     
    

「飛行機で運んでくるからかしら?」

       

そういう間違った憶測をするお客様には、僕もついシャシャリ出て解説したくなる。

     
「いえいえ、そうじゃあないんですよ、奥様」
     
   

「じゃあ、なぜなのか教えてよッ」
   
       

「これは完熟マンゴーと申しまして、実がつくと網で吊るしまして、自然に落下するまで木の上で完熟するまでじっと待つのでございます。」
    
    

「しかも、糖度は15度以上を保証、大きさや外観の美しさにも厳しい規格がございマスもんで。」
   

       
「ヘエ~ッ、そういうもんなの???」

       
僕の日本人訛りの中国語の説明を聞いて解った様なわからないような表情をして、食べてはみたいがとても手が出ないという複雑な、でもあっさりと諦めの面持ちをする。

     

それが普通というものですよ。奥様。
    

私たちだって、本気で売れるとは思っていませんから・・・。

    
          *       *       *

 
    
さて、知事来訪の前日、地元台湾のテレビ局3社が、宮崎フェアを取材に来た。
       

「ニュース的」に注目されたのは、やっぱり太陽のタマゴ。

   
Dsc_3970

     
        
もう足が地面に張り付いたかのように、商品を前にして動かない。

  
           
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太陽のタマゴの特長を正確に伝える絶好のチャンス  
    

      
その日の晩に早速、台湾中にオンエアされたらしい。

      
Dsc_4190
    
Dsc_4199

     

なんと翌日は、ニュースを観たと思しき人たちが、朝から次々と売り場に現れ、携帯電話やデジカメでパチパチやっているではないか。効果抜群。

   

シャワー(集客)効果だ、
人さえ集まってくれればそれでいい・・・

    

    

などと思っていたら、そのうち、売り場から大きな拍手が湧き上がった。

   

なんとお買い上げのお客さまが現れたのだ。

       

ウッソーぉッ!!

      

にわかにフロアがざわめいた。

      

どんな人なのかすぐに観察しようというのが僕の習い性。

    

はっきり言って、どうみても金持ちとは思えない格好の家族連れだった・・・。
     

そう、台湾は、他の国や地域と違って、お金持ちなのかどうかは着ている服装など外見からなかなか判断がつかないことが多いと言われている

    

          

それからは売り場も大騒ぎ。

   

さらに、東国原知事の来訪を挟んでこの2日間で用意した6ケースが

       
なんと完売御礼!!
   
    

フェアは始まったばかりで会期を10日も残していると言うのに・・・
   

一番驚いたのは、話題の種になればと赤字覚悟で仕入れた地元の卸し屋さんだった。

    
   
「こんなことなら、もっと沢山仕入れとくんだった!?」
   

とウレシイ苦笑い。
             

後の祭りとはこのことか。

    
    
これはもう説明も分析もしようがない。
         

ただただ、売れたという事実があるのみ。

      
          

Dsc_5214_2
台湾産も頻繁に補充される

              

物事はやってみなければわからない・・・。

   

自称海外販路開拓の専門家として、こんな結論しか出せないのが悔しいが、だからこそチャレンジ人間がチャンスを迎える時代になったのだと実感した。
       

もう既存の理論や理屈じゃ簡単に計れない。

    
Dsc_4948
今が一番美味しいとされる日向夏も好評だった

     
    
少々の信念と行動力と知恵と忍耐力を備えた、
日本では「変わり者、非常識」と呼ばれる僕等のような人間にもわずかの光が当たるようになった、そんな時代が訪れているのかもしれない。   
        
          
大相撲でもテニスでも野球でもサッカーでも。
                
       
     
「変わらずに生き残るためには、変わらねばならない」
     

とは、最近ある日本の政治家が引用した映画の一節だ。

    

Dsc_6350

    
     
もちろん僕も未だに太陽のタマゴを食べたことは無い・・・。
  
                            (シリーズ終)

    

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コメント

sign04sign04
台湾シリーズおしましですかぁdash
もっと読みたかったッスshine

あの、マンゴーは凄かったですねぇ~
台湾マンゴーも食べてみましたhappy01
旨かったぁupnote
ライチも食べてみましたnote
これまた、最高でしたsign03

 今回のミッションで、色んな事もあったけど
 毎度ですが、かなり勉強になりました。
 今後ともご支援の程切にお願い致します。

 頑張りまッセsign03

ベジタリーさん、コメントありがとうございます。
一方では「やってみなければわからない」ということと、他方「何が売れるかよりは売り方の工夫こそがカギ」という二つのことを学びましたよね。
ベジさんはすでに太陽のタマゴに先駆けること一年前、相手の土俵に乗り込んで相撲を取って見事3日で完売させたんですものね。これに満足することなく、次の頑張りを期待しています。

台湾プロモ密着レポートは生々しい臨場感がそのまま伝わってきて、実に楽しいですね。記事中で懸念するのは完熟マンゴーのプライシング。色物系のポジショニングで割り切るのか、准定番化を狙うのか方向性を見定めてプライシングをされたのか、むずかしい判断でしょうね。

じーこむらさn コメントありがとうございます。マーケティングの専門家としての知見はとても参考になります。
残念ながら、国内同様、農産物は海外でも自分で価格が決められない構造からスタートしており、コストの積み上げだけでも高価についてしまう構造的な欠陥に悩んでおり、供給サイドからのプライシングが実現できないでいます。本来、輸出は強い国内競争力の延長で進められるべきものも、なかなか現実は厳しいようで、なんとか成功事例を作り上げたいと考えています。
ご指導ください。

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  • 誤解しないでください。決して「日本を売る」のではありません。 優れたニッポンの商品・地域を「世界に向けて」売り込むのです。 日本全国に無数に広がる優れたジャパンブランドの地域商品や農林水産物の海外展開。 世界に誇れる観光地とおもてなしの心。「内向きではなく外向き」発想と行動で、ニッポンの地方の元気づくりを考えます。

筆者関連書籍


  • sonsi すでに第70刷を数える人気本。中国の古 典を現代ビジネス戦略に生かす知恵を分かりやすく解説。

  • rongo ビジネスマンの人としての生き方、企業としての在り方にヒントを与える孔子のことば