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2005.03.25

九州が動き出す

熊本で、九州農政局主催の農林水産物・食品の輸出促進活動報告会が開かれた。

050325nouseikyoku1目的は、九州6県の輸出担当者が一堂に集まり、平成16年度の国の補助事業に対する活動報告会なのだが、
この事業を広く知ってもらおうと、地場産食品輸出に関わる企業や団体、生産者にも参加が呼びかけられ、会場一杯の参加者により、熱心に議論が行なわれた。


3年間の本格的輸出事業を行い、前年比10倍増のイチゴ輸出を達成した福岡県。

輸出に熱心な経済連と強力タッグを組んで中国への販路開拓に取り組む佐賀県。

観光誘致と水産物輸出からアジアへ切り込む長崎県。

物流と商流の構築を重視し、実践的なアプローチに挑む大分県。

050325nouseikyoku2

輸出に果敢に挑戦する単位農協や農業法人のバックアップに徹し、輸出者に求められる支援の場を提供する熊本県。

全国的に注目されるスギ木材の輸出と共に、高付加価値・安心安全農産物のアジア市場開拓を図る宮崎県。

独自のアプローチで、農・林・水・畜産物の輸出に取り組む鹿児島県。

各県とも、品目、輸出先、方法、事業主体も、それぞれ異なる開拓手法で、非常に興味深かった。


「異なる・個性ある」ということは、素晴らしい価値である、と私は考えている。

理由のひとつは、それぞれが持つ資源や知恵を使って、主体的に考え、行動しているからである。
もうひとつには、そのような個性あるアプローチができるだけの基盤が各県にあるということを証明しているのである。
手探りながらも、商品、人材、情報、ノウハウ蓄積、アジアとのネットワークを駆使して挑戦できるだけの層の厚さを九州各県は持っているのだ。
もちろん、今後どこもが輸出に成功するとは限らないが。

このことは、短期的には九州どうしの産地競争が海外市場でも展開される懸念があるのだが、各県がアジア向け輸出のファーストステップを果たした後、こんどは九州としての連携が生まれてくることは必然だと思うのである。

報告会では、私にも発言させていただく機会を与えられ、来るべき「九州の広域連携の可能性」についても言及した。

各地の個性や特長を生かした連携があるはずだ。「九州はひとつ」という言葉の意味は、意識の温度差やターゲットの異なる各地域を、同じ方法論で一律に進めることではなく、困難問題の克服や相互補完・協力、海外情報の交換、他産業との連携などを柔軟大胆に行なえる意識の共有化ではないか、と私は考えているのである。

多様な個性の集合体こそ、他にはない「九州ブランド」の価値なのではないだろうか。

会議の冒頭で、九州農政局長のスピーチで、

「これから九州は『食・体験・観光』というキーワードでつながりを深めていくという方向の中で、アジア向け農水産物輸出を捉えてみては」という提言がなされた。

050325nouseikyoku

非常に注目される提言である。これはもう掛け声ではないのである。すでに行動計画も練られ、九州の各機関も横断的な協力支援体制を構築し始めているのである。


農水産業における生産・流通(物流・商流)・販売の有機連携、個性の異なる六つの県の地域連携、第一次産業と二次、三次、四次との産業連携が、アジアへの農産物の輸出をテーマにして、いよいよ動き出そうとしているのである。

行政も、生産者も、企業も、団体も、サポーターも、地域の関係者は、思考観念の転換と行動の準備はできているだろうか?


会議の中で、輸出に熱心なJA単協担当者が「農産物輸出は、何が起こるかわからない。ものすごい緊張感を伴う」という発言をしたのが、とても印象的であった。
かといって、このJAは、今年は、止めるどころかさらに輸出に取り組むそうである。

実は、この緊張感こそが、地域の生産販売力のレベルを大幅に向上させ、他から得られない強力なノウハウを国内販売に生かすことが出来るという価値を、すでに認識しているのである。

九州は、いよいよ動き出した。


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コメント

九州人の農産物輸出に対する熱い思いが伝わってきます。堺屋太一が「歴史の使い方」という本の中で言ってましたが、まさにビジョンがあれば物事はうまくいくということだと思います。きっと、今の九州には行政、民間の区別なく新しい農業のビジョンができつつあるのでは・・・新しい時代を予感します。

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筆者関連書籍


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